神の見えざる手

厚生労働省が4月1日にアルコール健康障害対策推進室を新設したことを発端に、今後「アルコール規制」が進むのでは、という懸念がネットで広がっています。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6237019

 

賛否両論がありますが、皆さんはどう思われますか。

全ての政策において言えることですが、一概に、良い政策、悪い政策という判断はできません。

 

そもそも何故政府は、市場に関与するのでしょうか。皆さんの中には、「また政府が余計な政策を打ちやがって」と思っている方もいらっしゃるでしょう。

 

経済学者の多くは、新古典派と言われ、「神の見えざる手」を基本的に信じている人々です。この「神の見えざる手」は、経済学の祖と言われるアダム・スミスの言葉です。

経済のことは政府が手出しをせず、市場に任せておけば、「神の見えざる手」によって万事うまくいくというのが、経済学の最も基本的な考え方です。したがって、経済学者は政府の経済への関与は小さいほどよいと考える傾向にあります。
しかし、経済学者も市場に任せておけない物事があることは認めています。「市場の失敗」と呼ばれるものです。これを補うために、財政には、①公共サービス(行政サービス)の提供、②所得再配分(貧富の格差の是正)、③景気の安定化という3つの役割があります。

 

①公共サービスの代表は警察です。警察官がいなければ、犯罪が増え、皆が困ってしまいます。 政府がなければ、豊かな人が護衛を雇って自分の身を守ることはあっても、世の中の治安をよくするために、誰かが警察官を雇うことはないでしょう。消防やゴミ収集についても 同じことが言えます。

 

所得再分配は、累進課税といって、所得の高い人からは高い税率で所得税を集め、貧しい人には生活保護などの支援をすることです。そうしないと、貧富の差が拡大してしまい、健康で文化的な生活が送れない人が出てくる可能性があるからです。

 

③景気の安定化は、政府が不況期に公共投資を行い、雇用(仕事)を増やすというものです。これは、地方公共団体(地方自治体)ではなく国の役割です。

 

政府がどこまで活動すべきかについては、議論もあります。たとえば、失業手当を支払うことは、弱者の保護になりますが、きちんと働けるにもかかわらず、失業手当を受け取って怠ける人が出てくる可能性もあります。そうなると、経済の発展を阻害しかねないのです。 

 

以上、簡単にはなりますが、政府が市場に関与する理由になります。

皆さんは、どのような政府が望ましいとお考えでしょうか。

 

やや極端な質問になりますが、

あーだこーだ、いろいろとお節介をやくけれど、言うことを聞いていればちゃんと面倒を見てくれる奥さんか。

何も言わず、自由に何でも思ったことを好きなだけやらせてくれるけれど、全ておいて自己責任を追及する奥さんか。

 

彼女や彼、奥さんや旦那さんがいらっしゃる方は、もしかしたら答えが出ているのかもしれませんね。